電子契約に法的効力はない?クラウドサインの懸念点を解説します

電子契約に法的効力はない?クラウドサインの懸念点を解説します

電子契約は実際の契約書現物が目の前にないので、本当にこれで大丈夫なの?と心配になる人もいるのではないでしょうか。

今回はクラウドサインの法的効力について調べてみました。

クラウドサインのサービス内容

雲と手

クラウドサインは一言でいえば電子契約締結サービスです。これまで人手、紙、印紙といった資源をつかって契約作業を締結していましたが、電子契約ではそれが一気に簡略化、省力化されます。具体的には、紙代、インク代、印刷代、印紙代といった制作コスト、書類作成、社内承認、郵送といった作業コストが省力化されます。

また、クラウドサインでは複数のサービスを展開しています。B to Cの対面販売における顧客との契約や署名業務をタブレット上で完結させる「クラウドサインnow」、署名締結と同時にクレジットカードと連携して支払いまでつなげる「クラウドサインペイメント」、これまで紙で保管していた資料をPDF化する作業の代行・PDF化した資料への各種情報入力(例:契約金額、契約開始日、契約終了日など)・クラウドサインへのPDFインポートなどを行う「クラウドサインSCAN」などがあります。

電子データならではの特徴の一つとして、同時に何通も同じ形式の書類を送ることができます。例えば雇用条件通知書などは文言はほぼ同じ、金額や期間、名前だけが異なる書類です。お祭りや花火スタッフなどのアルバイトを一度に大量に雇う、個人事業主のインストラクターとの業務委託契約を大量に巻くといったケースで効果を発揮するかと思います。

また契約は締結して終了ではありません。その後に振り返りを行うこともあります。ほかにも契約更新管理も重要なタスクとなります。クラウドサインもまさにそうですが、1年間単位で契約を締結しその後は更新契約を巻くタイプのビジネスであれば、期日管理は重要です。今月更新作業が発生する契約書はどこの誰と、何件あるのか、ということは営業にとっても経理にとっても把握しておかなければいけない情報です。

法的には問題なし!

ハンコを押す手

そもそも契約とはどのように成立するものでしょうか。契約とは、「当事者間の約束事で、念のため約束を破った場合の取り決めも一緒にしておく」のが一般的です。その意味では、口頭でも契約は成立していますし、日常で広く使われているクレジットカード決済も一つの契約です。

しかし、企業間の契約ではその責任範囲や影響も大きく、後々に言った・言わないのトラブルを避ける必要があることから、「約束事の明文化」「双方合意の記録」が必要とされています。

かつてはその手段として紙とハンコしかありませんでしたが、インターネットの普及により紙をつかわなくても契約の明文化、合意の記録ができるようになりました。それが電子契約です。実は日本では2001年に「電子署名法」が成立し、電子証明書を利用した電子署名を用いた場合は、押印やサインと同じ効力を持つことになっています。

つまり、電子契約は法的には何の問題もありません。

ただし、契約種類によっては書面作成が契約成立の要件になっているような契約もあります。

例:定期借地・定期建物賃貸借契約、取り壊し予定建物の賃貸借契約、宅地建物売買等媒介契約、マンション管理業務委託契約、訪問販売等特定商取引における交付書面など

これは一例であり、書面の電子化は経済界や産業動向に合わせて運用の見直しが進みます。実務で利用するにあたっては、関係省庁や専門家に確認してください。

不安に思われる理由とは?

雨に降られる木の人形

電子契約が不安に思われる理由は、法的有効性が知られていないこと、その実態が目に見えないこと、にあると考えます。

法的有効性については先に記載したとおりで、電子契約NGの契約でなければ何も問題はありません。

実態が見えないという意味では2つあります。

①契約書、ハンコ印影といった目に見えるものがない

②電子契約の仕組みがよく分からない

紙で印刷されてハンコが押されていれば、それが相手の会社のフローを通じて適切な承認者によって承認されたことが想像できます。(本当に適切かどうか、というのは厳密には分かりませんが)
一方で、電子契約というとその裏側で、どのような情報が、どのルートで動いているのかということを中々イメージしにくいのではないでしょうか。

また、電子契約サービスが日本で本格的に台頭してきたのはここ数年であり、そもそもサービスのことを知らない・意識したことがないという人も多そうです。

ペーパーレスの時代へ

紙がパソコンになる絵

しかし、現在最もホットな経営課題の一つは「働き方改革」です。

在宅勤務やリモートオフィスを整備して働く場所を会社に制限しない。フレックスタイムの導入や育児休暇によって働く時間・期間を流動的なものにする。などの規定整備に目が行きがちですが、ペーパーレスも有効な業務改革です。

・紙や印刷消耗品のコスト削減

・物理的な保管場所の省スペース化

・いつでもどこでも、欲しいときに欲しい端末からアクセス可能。携帯性や検索性が向上

・決済や承認を伴うプロセスや経営判断も迅速かつスムーズになる

・情報の管理・検索が行いやすくなることでセキュリティ面も強化

ペーパーレスによってこれらのメリットが期待されます

その中でも例えば電子契約であれば、下記のようなコストが削減されるでしょう。

【作成業務】社内チェックに時間を要する、製本の手間

【管理・保管】契約書を探すのに苦労する、契約の更新管理が手間、数が多く保管場所に困る

【金銭コスト】印紙代、紙代、郵送代

電子契約では、これまで紙で行っていた契約書の締結や管理を、インターネット上で行うことになります。紙で締結する場合に製本・郵送・返送・締結という流れで時間と費用がかかっていましたが、オンラインで完結することで業務効率向上コスト削減が期待できます。

クラウドサインの法的効力について|まとめ

今回は電子契約の法的効力について調査してみました。

まとめると、

・契約とは、「当事者間の約束事で、念のため約束を破った場合の取り決めも一緒にしておく」こと。その意味では、口頭でも契約は成立する。

・企業間の契約ではその責任範囲や影響も大きく、後々に言った・言わないのトラブルを避ける必要があることから、「約束事の明文化」「双方合意の記録」が必要とされている。

・かつてはその手段として紙とハンコしかなかったが、2001年に「電子署名法」が成立し、電子証明書を利用した電子署名を用いた場合は、押印やサインと同じ効力を持つことになっている。

・ただし一部契約については、まだ書面の作成が必要。

・現在最もホットな経営課題の一つは「働き方改革」であり、業務改革の一環でペーパーレスは今後も進んでいくと思われる。

となります。